美味しいコロッケパン  手帳にはいつも3割の余白を

 5月14日の夕刻、はたらくことについて語るトークセッション「『はたらきたい。』の哲学と実学」に出演した。「ほぼ日刊イトイ新聞」「就職ジャーナル」「日経ビジネスオンライン」の共催によるイベントで、ご一緒したのは糸井重里さん、就職ジャーナル編集長の川上直哉さん、元リクナビ編集長で現在はFeelWorks代表の前川タカオさんのお三方である。司会は日経BP社の柳瀬(無意味なことをたくさん知っている名物書籍編集者)博一。

 とても面白いイベントだった。はたらくことについての糸井さんや川上さん、前川さんの発言はそれぞれうならされるものばかりで、逆に言えば、はたらくことはそれだけ一筋縄ではいかないものなのだろう。とくに感銘を受けたのは糸井さんの次のお話でした。


「よく学校の先生は『がんばりなさい』『もう少しがんばればできるんだから』と言うでしょう? でもできないことをがんってできるようにするなんて実は無理ですよ。できるに決まっていることさえできなかったりするのが普通の人なんだから。できることをきちんと約束して、こなしていくのが大切だと思う。そういうできることをコツコツやっていると、気がついたら進歩していたなんてこともある」


 僕が話したことを一つ挙げると、こんなコメントをしたりしました。「(ワーク・ライフ・バランスについて司会者にふられて)僕は手帳の3割を余白として残しておくように心がけています。ぎっしり予定を詰め込まず、何にもない時間を作るようにしているんです。そんな『遊びの時間』があったおかげで、小説を書くきっかけを得たりしました。結局、仕事と生活をきっちりわけるというより、トータルで余裕を持つことが大切ではないかと思うんです。仕事と生活は相互に連鎖するものですからね。プライベートの出来事が仕事へのヒントになることもあるし、仕事で出会った人と本当に打ち解けて仲良くなることもありますから」


 イベント終了後、グラントウキョウ サウスタワー41階にある夜景の美しいリクルート社員食堂で打ち上げ。糸井さんや柳瀬、ほぼ日、リクルートの方々と夜遅くまで盛り上がる。写真は糸井さんが大好きだという吉祥寺ロンロン1階にあるパン工房 アンテンドゥのコロッケドッグ。いただいて食べたら、とても美味しかった。おすすめです。

まったり過ごした徳島での一日 スーパーマーケットの意外な舞台裏

 Tシャツ一枚でも汗ばむ日があったかと思えば、冷たい雨が降りしきる日が続いたりといかにも季節の変わり目らしい不安定な毎日ですが、皆さんはいかがお過ごしですか。

 僕はこの数週間、最近ではまれにみるほどバタバタした日々を過ごしていました。会社の仕事はまあそれほどでもないのだけれど、実はこれまでとは違うペンネームで長編小説を上梓し、それについての著者インタビューを受けたり(いつかこのブログで紹介したいと思います)、ビジネス書の執筆がいよいよ佳境に入ったり、来年、出版を予定しているノンフィクションの企画が動き出したりと、物書きとしての仕事であわただしかったのだ。

 でも、忙中閑あり。先日は「『日経ベンチャー』経営者クラブ」事務局長として徳島市に出張し、まったり過ごしてきた。「日経ベンチャー」経営者クラブは、阿波銀行が主催する「食のマッチング・フェア」――徳島県産の食材をアピールするため、県内の生産者と大手の食品スーパーや百貨店などのバイヤーとの商談の場を提供するイベントに協力しており、それに関連して主催者の方々にご挨拶するのが仕事である。

 羽田発10:25のJAL1433便に乗って徳島空港へ。タクシーで会食の場に直行し、主催者の方々と挨拶を交わす。続いて「食のマッチングフェア」のプレイベントに出席して、イトーヨーカ堂で青果の仕入れを担当するチーフバイヤーの講演「首都圏バイヤーが求めるもの」を聴講する。その後は帰りの便まで自由行動なので、市内を散策し(他の地方中核都市に比べてチェーン店の存在が目立たずすごく雰囲気がある)、適当なお店に入って鳴門わかめや阿波牛のたたきを肴に地ビールの阿波うず潮ビールを飲む。

県の名産、鳴門金時を使ったお菓子。素朴な味わいがいいです。

 こんなにのどかでまったりした時間を過ごすのは本当に久しぶりである。少なくとも編集長時代には皆無だった。もちろん編集長の仕事が嫌だったわけではない。それどころかとてもやりがいがあったと思う。でも読者の方を向いてコンテンツづくりに注力しているとき以外のストレスがけっこう激しかった。おかげで1年間で10kg以上太ってしまったことがあったし、髪もいまよりはるかに薄くて、アソシエ制作の割鞘(毎朝木刀を振っているユーロウェスタンマニア)義一郎から「頭がバーコード化していますよ」などと言われたこともあった。いつか無意味なストレスがあまりかからない状態で、また雑誌を作ってみたい気もしないではない(微妙な表現ですね)。

 ところで、ご講演いただいたイトーヨーカ堂のバイヤーの方の話がとても面白かった。それによれば、かつて売上高の5〜6割を占めていた衣料品の売上比率は今や35%程度に低下し、食品がスーパーの屋台骨を支えている。しかし世帯数の増加と平均世帯人員数の低下によってその消費行動は大きく変わり、青果はばら売りが中心になりつつあるという。イチゴを一個だけ買う人も少なくないというからすごいですね。また果物自体の売れ行きは全盛期より3割減ってしまった。理由はスイーツや飲料に消費がシフトしたこと、食べるのに手間がかかること、味に当たり外れがあることだそうである。スーパーの店頭というのはまさに時代を映す鏡ですね。流通業とは変化対応業だと言われるゆえんでと思う。

 ところで食品スーパーでのお客の平均滞留時間はどのくらいだと思いますか? バイヤーの方によれば13分だそうです。意外に短いんですね。

生まれて初めて観た映画は何ですか? マラソン大会の景品が届く

 「第13回 吉川なまずの里マラソン」に出場したら、くじに当たり、景品をもらえることになったと以前このブログで書いた。今日、それが届きました。「よしかわなまず特産品の詰め合わせ」(写真)。さっそく、なまずの粉末を入れたなまずせんべいを食べてみたら、けっこういけますね。


 それはさておき先週、TBSラジオの「森本毅郎の『映画の話をしようじゃないか!』」というスペシャル番組にコメンテーターとして出演した。リスナーが選んだベスト100の映画について司会の森本毅郎さん、コメンテーターの小沢遼子さんと僕、ゲストの山田洋次監督、滝田洋二郎監督らで語るという3時間半のマラソン番組で、あんな長丁場は初めてだったけれど、あっという間に時間がたってしまった。

 たぶん「生まれて初めて観た映画」とか「映画とデートの思い出」とか、自分たちの人生にそくして映画を語ったからだろうと思う。ちなみに僕が生まれて初めてみた映画は忍者が怪獣を操って戦う「怪竜大決戦」。松方弘樹が主人公を、大友柳太朗が敵役を演じていた。子供心に怪獣が安っぽいなと感じたのを覚えている。

 続いて観たのが「小さい逃亡者」。10歳の少年が父に会うためソ連まで密航するという日ソ合作映画で、面白かったですね。あとで知ったのだけれど、日本側監督が衣笠貞之助、撮影が宮川一夫というそうそうたるスタッフの作品だった。

 それから「森本毅郎の『映画の話をしようじゃないか!』」のリスナーが選んだ映画ベストテンは以下の通りでした。
 1位  ローマの休日 (114票)
 2位  風と共に去りぬ (103票)
 3位  ALWAYS 三丁目の夕日 (72票)
 4位  太陽がいっぱい (68票)
 5位  タイタニック (65票)
 6位  砂の器 (63票)
 7位  エデンの東 (61票)
 8位  男はつらいよ・シリーズ (58票)
 9位  大脱走 (55票)
 10位  ショーシャンクの空に (53票)

 ローマの休日は僕も好きです。グレゴリー・ペック演じる主人公が新聞記者だからだろうと思いますが、新聞記者や雑誌記者にはこの映画を好きな人が多いんですよね。

「地頭がいい」とかよく言うけれど… 仕事に本当に必要な考える力とは

 気がつけば4月も中旬、今年に入ってすでに100日強が過ぎてしまった。年をとると月日のたつのが速くて、本当に困ったものですね。

 それはさておき、先日、週刊誌の記者から取材を受けた。いまビジネスの現場では「地頭(じあたま)」の重要性がしきりに強調されるようになっていて、「地頭を鍛える」という本が売れたりしている。その背景には何があるのか解説してほしいと言う。

 地頭は、知識の多寡ではない基本的な「考える力」「問題解決力」を意味する言葉としてコンサルタントがよく使っていたので、昔から知ってはいた。「彼は地頭がいいね」なんて彼らは言うわけですね。そんなとき「地頭」なんて言わずにただ「頭がいい」と言えばいいのにと違和感を覚えたものだけれど、いまやより広範な人たちがこの言葉を使うようになったとのことである。


 で、こんなふうに答えました。背景にあるのは、企業を取り巻く環境変化のスピードがますます速まってきたことだろう。情報化やグローバル化の進展で、消費者ニーズや競争条件などが本当にあっという間に変わるようになってしまった。そんな状況ではトップダウン型の意志決定だけでは企業は生き残れない。トップが変化の方向を見極めて100点満点の経営戦略をつくり、具体的な戦術に落としこんでで現場に指示を与えていたのでは、もはや変化のスピードについていかれないからだ。
 この結果、変化の兆しを察知し、変化の方向性を見極めて適切な手を打つ問題解決力が現場の社員に求められるようになった。そこから地頭を鍛えようという発想が出てきたのだろう──。


 でも仕事における考える力や問題解決力は、もって生まれた頭のよさとは違う気がする。それらはやはり経験値の高さや知識の深さ、考え抜こうというモチベーションが支えているのではないだろうか。そうでないと、僕なんか立つ瀬がないですからね(自慢するわけでないけれど、僕はそれほど頭が切れるほうではない。新しい事態に立ち至ったとき、頭ではなく体でぶつかってみてようやく理解するタイプである。だから雑誌編集の仕事も、小説の仕事も、そのようにして身につけていくしかなかった)。

 地頭という言葉への違和感は、そこからきているのだと思う。なんだか今日は硬い話になってしまいましたが……。

仕事とランニングの共通点と「最悪のマネジメント」

 せっかくの日曜日だというのに曇り空、予報によると東京では明日(14日)は雨だという。どうも日曜から月曜にかけて天気が崩れるというパターンが定着してしまった感じである。

 でも実は今日のような寒々しい日はランニングびよりなんですよね。暑さでバテる心配はないし、直射日光をあまり受けないので日焼け止めクリームをつける必要もない。というわけで午後、川口マラソン大会のハーフマラソンのコースをゆっくり走る。自宅から川口マラソンのスタート地点である青木町公園まで2km程度なので、合計約25kmの距離である。

 ――ということを最近ブログでよく書くようになったので、会う人からときどき「ずいぶん走りますね。昔からお好きだったんですか」と尋ねられるようになった。ランニングを始めたのは約20年前なので昔から好きだったと言っていいと思う。

 その日のことを僕はいまでもよく覚えている。10月のある晴れた日曜日、ふと「長い距離を走ってみようかな」と思い立ち、ナイキのジョギングシューズを履いて近くの公園の周回コースを走ってみたのだった。初めは苦しくて30〜40分で立ち止まってしまったが、だんだんと距離が伸びるにつれて、走ることが本当に楽しくなっていった。

 とはいえ、それ以前の僕はランニングをしたいだなんて考えたこともなかった。それどころか学校時代には体育の授業で長い距離を走らされるのがいやでたまらなかった。どうやってさぼろうかと、そればかり考えていた気がする。結局のところ、内発的な動機を持たないまま何かを強制的にやらされるのが僕には耐えられなかったのろう。たとえ長い距離を走る行為自体が本質的には僕自身の性向に合致していたのだとしても。

 唐突だが、仕事もランニングに似た面がある気がする。「いい誌面をつくろう」とか「新しい企画を何としても成功させよう」と思い立ったときの仕事はきついけれど充実感を味わえたりする。しかし、全然そんな気にならない時にしんどい仕事を上司から強制されたら、それは走りたくないのに走り続けなければならない苦行に等しい。結局、同じ仕事でも自発的にやるか強制されるかで気持ちの持ちようは大きく変わるし、当然、得られる成果も違ってくるというわけですね。

 最悪なのは部下をやる気にさせずただ「やれ!」と強要するだけで、しかもミスをするとマイナス点をつける脅しのマネジメントだろう。こういうトップやマネジャーって決して少なくないと思いませんか。だれとは言わないけれど…。

「吉川なまずの里マラソン大会」に出場 泣き笑いの結果に

4月5日(土)
 午後11時、ランニングシューズのはき心地をもう一度確かめ、軽いストレッチをしてから眠りにつく。明日は埼玉県吉川市で開催される「第13回 吉川なまずの里マラソン」の10km一般の部に出場するのだ。レースへの参加はこれで2回目である。生まれて初めてだった昨年12月2日の川口マラソン大会の前夜ほどではないけれど、やはりわくわく、ドキドキしてしまいなかなか寝つかれないですね。


4月6日(日)
 午前6時30分起床。軽い朝食をすませて家を出る。前回の川口マラソン大会では、10km男子一般の部で640人中307位と平々凡々の最たるような順位だった。今回は何とか200番台でゴールしたいと思っているのだが、パンフレットによれば10km一般の部への参加者は男女合わせて1247人だという(うち男子は39歳以下が399人、40、50代が358人)。果たして目標を達成できるだろうか。

 午前8時25分、吉川市市民交流センター、おあしすで受け付けをすませ、柔軟体操をしながら出走を待つ。花を7割ほど残した染井吉野の並木が町のそこここにあり、何だかいい雰囲気である。ちなみに吉川市は江戸川と中川にはさまれたのどかな町で、なまず料理で知られるという。

 9時50分、いよいよ出走。前回の川口マラソン大会では前半ペースを落としすぎてしまったので、今回は1km4分強のやや速いペースで走り出す。2日間ランニングを休んだので体が軽い。いいぞ、今回は快調だ――と思っていたら、好事魔多しですね。4kmをすぎたあたりで体が突然重くなってしまった。

 原因は暑さとのどの渇きである。今日は日中の最高気温がセ氏18度に達すると聞いていたのにもかかわらず、何の考えもなしに長そでのランシャツを着てしまい、おまけに出走前に水分を摂ることができなかったのだ。まずいな。でも頑張ろう。練習中にもこういう状態になったことがあるじゃないか。僕は眉間にしわを寄せ、前を走る人を抜けないまでも後ろからくる人に抜かれないようにと必死で走る。すべての給水ポイントで水分を補給し、ヘロヘロ、ボロボロになりながらゴール。

 いやあ、参った。こんなに辛い10kmは初めてだ。自分が嫌になっちゃうよな、ほかの選手は皆、半そでを着ているのに長そでだなんて、脱水症状にもなるよな……などとぶつぶつぼやきながら完走記録証(写真)をもらいにいったら、係の人が僕の完走記録証を見て驚いた顔をした。
「当たりですよ!」
「はい?」
「くじが当たったんです。景品をもらえますよ。よかったですね」
「あ…ありがとうございます」
 順位が気になって仕方がない僕はそそくさとその場を辞して、完走記録証を見た。

 結果は10km一般の部1247人の中で155位、男子40、50歳代358人の中で67位。タイムは47分11秒。
 

 僕はため息をついた。練習ではいつも45分を切っているので、スタート直後の混雑による足踏みを考慮に入れても期待外れの記録である。参ったな。敗因は長そでだよな……と、またしてもぼやきつつ、まあ、でも155位(67位)という順位は悪くはないかとも思う。200番台でゴールするという目標を上回ったのだから。そう思ったとたん、自然に笑顔がこぼれてきた。とにかく走り通しだのだ。

 応援にきてくれた妻と一緒に地元では有名な割烹料亭ますやでなまず料理を食べ、13時30分帰宅。シャワーを浴びるのももどかしく冷蔵庫からビールを出してくいーっと飲む。日曜日は「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月〜金6:30〜8:30)への出演のための打ち合わせがあるのでアルコールは飲まないのだが、今日は特別です。美味しい! こんなに美味しいビールが飲めるなら今日の苦しみをまた味わってもいいと本気で思う。

「いらないでございます」と答えてしまった僕  うまく伝わる話し方とは(その1)

 夕刻、退社する直前にメールをチェックしてみたら、営業担当の人からうれしい依頼が入っていた。「一昨年から昨年にかけて発刊した『実践 仕事ができる人の話し方』などのアソシエ別冊ムックのフェアを都内の大型書店で開催するので、前編集長としてぜひ店内に掲示するPOP広告のためのコメントを寄せてほしい」と言うのだ。

 もちろんすぐに「了解しました」とメールを返す。『実践 仕事ができる人の話し方』などの別冊ムックは、表紙ひとつ決めるのにも20〜30パターンのビジュアルイメージを検討したくらいこだわって作ったのでとても愛着がある。発売したシリーズ6タイトルはどれも実売部数が10万部前後に達しているが、フェアを開催してくれればもっと多くの人に読んでもらえるに違いない。もしかしたら6タイトル合計で100万部も夢ではないかもしれない(おめでたいですね)。

 というわけで帰宅途中ずっとコメントを考え続ける。正攻法で内容を紹介するか、編集の裏話を披露するか、気の利いたキーワードを考えるか……あれこれ考えつつ、川口駅にほど近い中華料理店に入り餃子定食を頼もうとしたら、「餃子シリーズ」と言ってしまった。
「は?」
 店員がうろんな顔で僕を見る。
「あ、いや、餃子定食」
「お飲み物はいかがなさいますか」
「いらないでございます」
「は?」
「あ、いや、いらないです」

 もう恥ずかしくて涙が出そうである。とても自分が「実践 仕事ができる人の話し方」を編集した人間だとは信じられない。

 そうなのだ。僕は根を詰めて原稿を書いていたり、考えごとに集中していたりすると頭の回路が何というか「開放型」から「閉鎖型」に切り替わり、人とうまくコミュニケーションをとれなくなってしまうのだ。かつて自宅にかかってきた電話に「はい、アソシエ編集部です」なんて出てたことがあった。原稿を書いていて気分転換がてら1階のロビーまで夕刊を取りに行き、すれ違ったマンションの住人に「こんにちは」と言おうとして「ごちそうさま」と言ってしまったこともある。

 結局、僕にとっての「実践 仕事ができる人の話し方」の第一歩は、意識を自分ではなく相手に向けることにあるということですね。すなわち、まずは頭を切り換えて、相手が何を聞きたいのか、何を知りたいのかをきちんと把握する。さらに話している間も相手の反応に注意を払い、話の内容や話し方にフィードバックする。

 いや、これはなにも僕にとってだけの第一歩ではなくて、万人にとっての第一歩かもしれませんね。気晴らしの雑談とは違い、仕事での会話はまさに相手ありきなのだから。そう言えば、マネックス証券CEOの松本大さんは講演では最初に聴衆から質問を募り、どんな話を聞きたがっているのかをざっと確かめてから話し始めるそうである。

 ところで皆さんには「こんにちは」と言おうとして「ごちそうさま」なんて言ってしまったようなこと、ありませんか?