不況に負けず生活を楽しむ2 明日の糧を得る勉強会・交流会のすすめ

 アメリ労働省が発表した雇用統計によると、10月の全米の失業率は6.5%と前月から0.4ポイントも上がり、約15年ぶりの高水準に達した。このままいくといずれ二ケタに上昇するかもしれない。日本は4.0%(9月の完全失業率)と小康状態を保っているが、世界的な金融不安が実体経済にダメージを与えている現状を考えると、今後、雇用環境の悪化は避けられないだろう。その結果、個人消費がさらに落ち込み、景気をいっそう低迷させる悪循環に日本経済全体が陥ってしまうかもしれない。

 というわけで、前回に引き続き「経済危機への対処の仕方」です。第2弾の今回は「充実した時間を送りながら明日の糧を得る勉強会・交流会のすすめ」。今度の不況はおそらくかなり長引くと思う。だったらそれを逆手に取って――接待の飲食やゴルフは間違いなく激減するし、残業時間も減る傾向にあるだろうから、浮いた時間を活用して、明日につながることをしようというわけです。


 ●この際だから経済・経営・歴史の名著を読んでみる 
 僕は景気が再び上向くのは2010年の半ばではないかと見ている。そして、その時、頭角を現すのは世の中の変化の本質を見抜く、本当の意味での洞察力を持った人だと思う。ではどうすればそのような慧眼を手に入れられるのか。もちろん魔法の杖のようなものはないけれど、偉大なる先人に学ぶことはやはり重要だと思う。でも読み応えのある名著に挑むのはなかなか勇気がいりますよね。そこで友人・知人数人で読書会を催したらどうかという提案です。

 ちなみに僕は、会食などが減って余るであろう時間を活用してジョン・ケネス・ガルブレイスなど著名な経済学者の本をまとめて読んでみようかなと思っています。例えば『大暴落1929 (NIKKEI BP CLASSICS)』(日経BP社) とか『バブルの物語――暴落の前に天才がいる』(ダイヤモンド社)とか。後者は過去数百年の間に起きた金融バブルを分析した本で、あの1987年10月19日月曜日にニューヨーク・ダウの終値が前週末より508ドルも下がったブラック・マンデーを予測した経緯も語られているとのこと。ガルブレイスの本は基本的に読みやすいし、ジャーナリスティックな意味でも面白いので、楽しみなんですよね。

 加えて、メディアのこれからを見通すための書籍も探してみようと思っています。よく知られているようにネットの登場によって、新聞や雑誌、テレビ、ラジオなど既存のメディアの収益構造に大きな影響を(それも多くの場合マイナスの影響を)与えています。既存のメディアは今後どうなっていくのか、どうすればいいのか、必死に考えてみたいですね。

 ●会計とか、仕事のスキルを高める勉強に挑んでみる
 どんな仕事に就いていても、会計の基礎を学んでおくことはいろんな意味でプラスだと思う。僕は妻が税理士資格取得のための受験勉強をしていた時、一緒にビデオ教材で会計を勉強した。会計とか財務・経理の勉強には、どうも動画が役立つような気がする。そこで提案ですが、会計とか仕事のスキルを高める勉強会を立ち上げたらどうだろう。ビデオなどの教材を1人で購入すると高くつくけれど、数人で購入すれば負担はかなり軽減できるはずです。
 
 それにしても「失われた10年」の後のささやかな好景気が、こんなにあっけなく終わろうとは実は思っていなかったですね。日本の景気拡大期間は「いざなぎ景気」を超えた、などと言われていたのが遠い昔のことみたいである。つい昨年のことなのに…。